大村 冗弾の四方山話

ネコと釣りと小説の徒然草

鏡沼伝説の地 ~ 「てるの鏡」の舞台 ~ を訪ねて。

福島県の伝説です。

現在の福島県鏡石町には、800年ほど前から言い伝えられている伝説があります。

「鏡沼伝説」という鎌倉時代初期の御家人・和田平太とその妻・天留の悲劇です。

 

物語のあらすじは、鏡石町観光協会や地元マスメディアのホームページなどで閲覧できますので、ここでは割愛しますが……。

 

この話に材を取った小説「てるの鏡」をカクヨムで連載中なので、その舞台となる「 鏡沼」に行ってきました。

なお愚作へのリンクはこちらです。☟

てるの鏡(大村 冗弾) - カクヨム

 

「鏡沼」は、かつては広大な沼で、蜃気楼が出現することで有名だったようです。

 

この辺りは付近を流れる釈迦堂川の氾濫原だったのでしょうか。

雪解け水が流入して冷たい湖水と、初夏の強い日差しで温度差の大きい空気の層ができて、蜃気楼が発生したのでしょう。

松尾芭蕉が「奥のほそみち」を旅する際に立ち寄っていますが、蜃気楼を見ることができず、残念がっています。

 

現状の鏡沼は、田んぼの中にポツンと佇む水たまりと化しています。

頻繁に底浚いをしてやらないと、すぐに無くなってしまいそう。

 

記念碑があります。鏡石町指定文化財第一号、の文字があります。

記念碑の正面ですが……、逆光のためちゃんと写りませんでした。

 

説明板があります。

この説明板に描かれている絵は、蒲生羅漢という絵師が天保13年(1842年)描いたものだそうです。この絵が当時の状況を忠実に描いているならば、すでにかなり干拓が進んで、沼地の多くが田んぼになっているように見えます。

なお、説明文にある「化粧原」は、平太に会いに来た天留が化粧を施した場所、との伝承があります。

由来も書かれています。

 

小さな祠があります。平太と天留を祀っているのだしょうか。

 

現在「沼」の周りは、すべり台2基と東屋などがある、小さな公園になっています。

(全景)

「鏡沼跡」は右手。左側には湿地状の池がありますが、これは鏡沼の痕跡なのか、後世に造ったものなのかは分かりません。中央の小さな橋のところに水路があり、池が繋がっています。

 

(すべり台)

 

東を望む。この先に東北自動車道がありますが、写真では分かりません。

 

北を望む。右手の小高い丘に二階堂家の代官所があったのでしょうか。

 

上空から。Google earth より。

中央を上下に走っているのが東北自動車道。左右に走るのは国道118号線。

右下に斜めに走るのは国道4号線と奥州街道


Google mapより。

 

最寄り駅はJR鏡石か須賀川になりますが、少し距離があります。

車なら須賀川インターから10分ほど。

料金所を出たら信号を左折してしばらく道なり。東北道のガードをくぐって一つ目の信号(そこそこ距離があります)を左折。その先の国道118号を右折。

場所は分かりづらいですがカーナビに出ています。なお、国道4号線には案内板があります。

近隣を訪れた際には寄ってみてはいかがでしょうか。

 

kakuyomu.jp